ai競馬予想vs予想家がnhkで実現!開発者の貫井駿について解説

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AI(人工知能)技術は日本だけでなく世界的にも注目されている技術であり、現在でも日々開発が進められています。

競馬予想AIが登場して話題になったことも記憶に新しいですよね。一部の競馬ファンからの注目は集めたものの、大きな話題となるほどではありませんでした。

そんな競馬予想AIが、現在また注目を集めはじめています。2020年6月25日19時30分からNHK総合で放送の情報番組「所さん!大変ですよ」は競馬予想AIと競馬予想士の対決が特集されることになったのです。

この記事では番組の内容についてや、登場する南関東競馬公認競馬予想士・高瀬孝也氏について、そして競馬予想AI開発者である貫井駿氏についてご紹介させていただきたいと思います。

予想師vs競馬予想AIの対決がNHK「所さん!大変ですよ」で実現

「所さん!大変ですよ」では「知られざるAIの裏側に迫る!」という特集が組まれ、現在活躍している様々なAIについての紹介を行いました。

道路標識を認識するAI、AIによる顔認証決済(中国では既に実用化されている)、津軽弁の翻訳AIなど様々なAIが登場しましたが、中でも大きく注目を集めたのが競馬予想AIと南関東競馬公認競馬予想士・高瀬孝也氏の対決です。

競馬は膨大なデータを分析することによって、予想の精度を高めることが可能です。過去の分のデータを、人間の手ではなくコンピューターであるAIで分析を行えることは非常に便利ですが、そもそもAIは競馬のレースの勝敗予想など、相対的な予測は苦手。

1頭の競走馬が走るタイムを予測するという絶対的な予測は得意ですが、そこに他の何頭もの競走馬が絡み、相対的な予測が必要になるとAIがその実力を発揮するのは難しくなります。

そこを攻略するのが競馬予想AI開発者の腕の見せどころ。ということで、番組では大井競馬場で行われるレースで競馬予想AIと南関東競馬公認競馬予想士・高瀬孝也氏の予想対決が行われました。

AI開発者・貫井駿とは?

競馬予想AIに詳しい方であれば貫井駿氏の名前を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

貫井駿氏は、人工知能サービスの提供を行う株式会社AlphaImpactの代表取締役です。

ディープインパクトが日本競馬界に与えたような衝撃 (impact) を世界で最初に (alpha) 人工知能 (AI) によって与えたい。

そんな思いから、AlphaImpactは発足しました。
我々は、メンバー全員が最先端の人工知能技術を実装するのに必要な高度なスキルを持つ、少数精鋭のスペシャリスト集団です。 競馬人工知能開発の先駆者である自負を胸に、業界の枠を超えて、世界の人々に感動を与えるような人工知能サービスを提供します。

引用元:会社概要

貫井駿氏はnetkeibaの「ウマい馬券」で活躍している的中型人工知能、回収型人工知能の技術者としても知られています。

回収型人工知能は売れ筋5位で、回収率アップに欠かすことができない「おいしい馬」を見つけることに特化した競馬予想AI。競馬では的中率以上に重要な回収率を高めるために最適な資金配分と買い目を自動計算してくれるという優れものです。

「勾配ブースティング」と呼ばれる強力な機械学習アルゴリズムを使い、出走する競走馬の「おいしさ」と「強さ」を5000以上にもなる多くの予想ファクターから予測します。

回収型人工知能の特徴とも言える勾配ブースティングでは、適性や実績、騎手などの様々なファクターを使って予想するバーチャル予想家を1000以上作り出します。そして、その上で予想家たち全員のいいとこ取りをするようなアルゴリズムになっているため、人間にはとても真似できないような競馬予想を行うことができるのです。

元々最初は完全な一つのAIを作り出そうとしていたものの、製作している過程で精度が頭打ち。そこで発想を変えて、異なる様々な専門分野を持ったAIバーチャル予想家を作って、それぞれの弱点を補いながら予想を導き出していくという形となったそうです。

2019年に予想したレースは21439レース。回収率は93.3%と高く、ほとんど軍資金を取り返した事になります。

AI解析チャートは解析結果を血統、調子、実績、騎手、適性、属性という6つの観点でわかりやすく提供。ひと目で見てわかるようになっているため快適に利用することができます。

競馬予想AIにも様々ありますが、強みがしっかりとわかるようになっているのは大きなポイントですよね。

競馬予想家・高瀬孝也とは?

そんな競馬予想AIのエキスパートとも言える貫井駿氏が作成した競馬予想AIと対決することになったのがnetkeibaの「ウマい馬券」で活躍中の「夢追人」として知られる南関東競馬公認競馬予想士・高瀬孝也氏です。

高瀬孝也氏のキャリアはおよそ40年。競馬予想のプロである高瀬孝也氏は大井競馬場を始めとして、南関東の競馬場に競馬予想屋としてブースを構え、競馬予想を提供していました。

その人気ぶりも凄まじく、レースが開催された日には高瀬孝也氏の口上を聞くために人だかりができるほどだったそうです。

高瀬孝也氏が2019年に予想したのは1354レース。人間なので予想数はAIには叶いませんが、回収率は100%を達成し、AIを上回りました。

競馬は実際に走るのも生き物、そして上に乗るのも生き物です。不確実性が高いためAIには予想が難しいですが、熟練の予想師の場合は今までの経験があります。

競馬予想対決、勝ったのは…

貫井駿氏のAIと競馬予想士の高瀬孝也氏は大井競馬場で開催される6月1日の12レース全てを予想するという形で対決。勝敗は回収率で決まります。

1レース目は両者的中。12レース全てが終了すると、競馬予想AIは5レースで的中、高瀬孝也氏は4レースで的中という結果に。

また、回収率は競馬予想AIが112.5%、高瀬孝也氏が78%という結果になり、的中率・回収率ともに競馬予想AIの勝利という結果となりました。

ただし、前述の通り2019年の年間のトータル回収率で言えば競馬予想AIは93.3%、高瀬孝也氏の場合は100%と、競馬予想AIよりも高瀬孝也氏の方が高い回収率を実現しています。

1日の開催の勝負では競馬予想AIに軍配が上がりましたが、安定した回収率を維持できるわけではないとも考えられるため、実力差はそこまでないと考えられるのではないでしょうか。

まとめ

競馬予想AIと南関東競馬公認競馬予想士・高瀬孝也氏のNHKでの対決についてご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか?

日々開発が進められているAIですが、現在の大きな課題の一つが「ブラックボックス」と呼ばれるもの。

これは膨大なデータから分析を行い、AIは原因と結果を導き出しますが「どうしてAIがそのような原因と結果を導き出したのか」というプロセスが人間にわからないことが多いという問題です。

この問題が解決されていくことで、競馬予想AIの精度ももっともっと高まっていくことになるかもしれません。